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活動日誌 質問

2018年第一回定例会 閉会

2018年3月24日

3月23日、2018年第一回定例会が終了しました。

4月からの2018年度予算をはじめとした67議案について、採決が行われました。日本共産党神奈川県議団はそのうちの28の議案については、不十分であることや改悪であるとして反対をし、本会議での反対討論を私が行いました。神奈川県政の問題点の一端が分かると思いますので、以下ご紹介します。ぜひご覧ください。

 

日本共産党神奈川県議団を代表して、本定例会に提案された定県第1号平成30年度神奈川県一般会計予算をはじめ、反対する28議案のうち主なものについて討論いたします。

先ず、定県第1号平成30年度神奈川県一般会計予算についてです。

予算の反対理由の一つは、予算編成などに対する知事の政治姿勢です。

予算編成時には、毎年厳しい財政状況と財源不足が示されます。

しかし、今年度も県債管理基金からの508億円の繰り入れをやめるなど、県が見積もったほどの財源不足は生じませんでした。不要不急の政策を見直して、県民の要望にもっと応えることが必要です。

知事は、わが会派の井坂議員の生活保護基準引き下げの質問に対して、一律の引き下げではなく、消費実態の乖離を是正するためのものであり、必要な見直しであると述べられました。働く人の実質賃金が低下し、ワーキングプアが社会課題と認識されている中で、生活保護基準を引き下げるという国の姿勢に追随することはやめるべきです。県民の苦しい実態に目を向け、心を寄せ、手を差し伸べるのが地方自治体である、県の責務であるはずです。県民生活を一層苦境に追い込みかねない知事の姿勢を改めることを求めます。

知事はご自身の肝いりの施策には、県単独予算を措置し前のめりとなっている一方で、県民のいのちと暮らしを守る切実な要望が寄せられている事業について、背を向けています。小児医療費無料化の対象年齢を引き上げることや窓口負担をなくすこと、重度障がい者医療費助成の県負担割合を引き上げることで、誰でも安心して医療機関で受診できるようにしてほしいと、県民や市町村から多くの要望が届いています。

また保育士確保については、横浜の認可保育園で、保育士確保の困難により3月になって急に4月から一部休園することが保護者に説明され、子どもたちが通う園がなくなってしまうということが発生しました。県は保育士の有資格者を増やすことに力を入れていますが、真に保育士確保に取り組むのであれば都市部ほど他産業との賃金格差が大きく、勤続年数が短い傾向があることからも、保育関係者から切実に求められる、処遇改善が必須です。県内自治体間で保育士の争奪戦が行われないためにも、神奈川県が独自の財源をあてての処遇加算を行うことが求められます。

防災や暮らしの安全対策について、集中豪雨・浸水被害対策としての河川整備の促進が求められていますが、たとえば境川河川整備計画については、なかなか計画通りに進んでおらず、予算も人員・組織体制も3倍4倍に拡大強化して、30年以内での事業完了、さらなるスピードアップをはかることが求められています。こうした事業に県はもっと予算をつけるべきです。

一方で、今定例会で、折に触れて指摘をしてきたヘルスケアニューフロンティア政策について知事は「持続可能な新しい社会システムを創造するなど、超高齢社会に不可欠な取り組み」であり、全力で取り組むと言いますが、再三指摘しているように、最先端医療への支援という施策は、一自治体が他の施策に先んじて優先的に行うべきものではありません。

また、知事が軌を一にするという、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標3には、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」とされており、健康はすべての人の基本的権利であり「自己責任」ではないのです。

未病改善の取り組みに決定的にかけているのは、健康・病気の「社会的決定要因」と「所得、雇用形態などの社会的要因」によって、食生活やストレスなどに差異が生じ、低所得者や不安定雇用の人ほど疾病・死亡リスクが高まる「健康格差」を是正するという視点です。このような視点をWHOや厚生労働省もうたっています。WHO欧州地域の53の加盟国は、新しい共通政策の枠組である健康2020で共通目標は、「地域人口の健康と幸福な暮らしを大幅に向上させ、健康格差をなくし、公衆衛生を強化し、市民中心の全員に公平で持続可能な高品質の保健医療制度を確保すること」であると掲げています。

県民に対して、健康格差を解消し、健康で長生きしてもらいたいと本気で願うなら、商品やサービスの購入を通じなければ恩恵にあずかれないような取り組みを改め、公的役割や公衆衛生部門との連携強化に予算を振り向けることが求められます。ヘルスケアニューフロンティア政策については、抜本的に見直すべきです。

また、教育の無償化に向けた取り組みについては、国に先駆けて私立学校に通う子どもたちの実質無償化を前進させたことについては評価しますが、一方で同じ県民である、朝鮮学園に通う子どもたちへの学費補助が計上されていません。今年度予算に対しては、神奈川県弁護士会からも予算計上を求める声明が出されていました。差別をなくすべき行政が率先して差別的取り扱いを行うことは言語道断です。

そもそも、学費補助は子どもやその家庭に対して交付されるものです。かつて知事は「子どもたちに罪はない」とおっしゃいました。子どもや保護者に何ら責任のない事情を持ち出して学費補助を支出しないことは、理屈が通りません。多文化共生の理念、国際人権規約、人種差別撤廃条約、子どもの権利条約に基づきすべての児童・生徒に対する予算を計上すべきです。

 まちづくりに関した問題では、ツインシティの整備について道路整備に約3億5000万円の予算が計上されていますが、平塚市や寒川町それぞれの考え方や取り組みに温度差があり、寒川町の慎重な姿勢が大きく変わらない中で、大規模開発事業に前のめりになることは適切ではありません。

また、リニア中央新幹線建設推進についても、リニア建設をめぐり、大手ゼネコン4社が受注価格のつり上げをはかって談合したことで逮捕者が出て、本県としても指名停止処分を下すという重大な事態となっています。

そのような中、本県は予算も職員体制も、平成30年度は2倍以上に拡大して用地買収交渉などスピードアップをはかろうとしています。

 しかし、相模原市緑区に建設予定の鳥屋車両基地は大規模なもので今後、建設工事が着工となれば、多くのダンプが細い生活道路を行き交い、生活環境にも大きな影響が及びます。

 移転を強いられ、住民が長い間営々と築いてきた生活基盤を奪われてしまうこと、県の公園拡張計画も変更を強いられ、保全すべき水源林の一部を失うなど、既にリニア中央新幹線建設にともなって、県民と地域が払う犠牲の大きさが見えてきています。そうした犠牲を強いるだけの意義、公共性がリニア中央新幹線建設にあるとは考えられません。

 県立高校改革の推進では、県立高校共通選抜1次募集で、全日制で8227人、定時制で100人の生徒たちが、不合格になりました。さらに2次募集で全日制58人、定時制4人が不合格になりました。進学率の向上に努め、希望する県立高校に入学できるよう取り組むことが求められています。県立高校改革で県立高校再編・統合計画は進めるべきではありません。

次に、議会費の中で、県政調査で行われる議員派遣予算についてです。県政調査は、会派の責任で行われる視察について議員派遣として議決して行われています。しかし、会派が行う視察については、県政調査のほかに政務活動費で実施することができます。議会経費削減の努力として県政調査についてはやめるべきと考えます。

以上が、一般会計予算に反対する主な理由です。

 

次に定県第10号議案平成30年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計予算についてです。

この事業会計については、水源林の保全や再生事業は大切なものと考えていますが、その財源を県民に対する超過課税で行うのではなく、一般財源で行うべきと考えますので、この事業会計に反対をいたします。

 

次に定県第14号議案「平成30年度神奈川県国民健康保険事業会計予算」について、国保の都道府県化は、国の財政支援が増えたとはいえ、高すぎる国保料を引き下げるうえでは不十分です。全体として医療費や医療提供の抑制につながりかねないものであると同時に、制度上の問題点も指摘してきたところであり、反対いたします。

 

定県第19号議案「平成30年度神奈川県水道事業会計予算」についてです。

箱根地区水道事業包括委託が含まれていますが、水はいのちの水と言われるように、とても公共性の高いものです。採算が合わないが、水道水を提供しなければならない、という社会的要請に応えるための方策として、包括委託は役立つのか。民間企業にいくら水道経営の経験を積ませても、収支が悪化し困難に直面している水道事業体の救済や支援を行うことは期待できないことは明らかです。やはり税金を原資として、公共の力で対応することが求められています。

  箱根地区水道事業包括委託によって、県企業庁の箱根営業所は廃止され、その分、職員定数も削減されています。公共の力を弱めることは改めるべきです。

 このような箱根地区水道事業包括委託は、第1期限りで、もうやめるべきと考えますので本議案に反対いたします。

 

次に、定県第25号議案「住宅宿泊事業法第18条の規定による住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」についてです。

国のいわゆる民泊新法については、反対する立場ですが、自治体として県民の暮らしを守るという立場に立つならば、制限条例は一定の役割は果たせると考えます。

しかし、今回の条例についていえば、他の自治体の動向に比較しても、自治体としての制限が不十分だと考えています。県内においては、制限区域としての指定を要望しながら、指定を受けられなかった市町からは、県の姿勢が不十分であるとの切実な訴えもありました。

例えば兵庫県ですが、「住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」と銘打って、小中学校・幼稚園認定こども園・保育所・社会教育施設などの周囲、住居専用地域・田園住居地域・景観地区などにおいては一年中の制限を設け、また温泉法第29条の規定による区域・国立公園・国定公園・県立自然公園・景観形成地区・広域景観形成地区などについては、期間は限っていますが広範に制限を加えています。またこれら県が定める地域以外に、市町の意見を聞き定める区域もあるとのことです。

また制限区域だけではなく、設備設置基準を設け、周辺住民への説明も義務付けています。

このような厳しい制限を設けている自治体は他にも少なからずあります。

このような例を参考にし、より住民の暮らしと環境を守るという観点、また良質な観光を育てていくという観点を尊重した条例が必要と考えますので反対いたします。

 

定県第29号議案「事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」については、地域包括ケアシステム構想が、十分な体制を担保しない中で進められ、介護の形骸化が懸念されることから反対いたします。

 

定県第31号議案「神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例」についてです。

これには、大船フラワーセンターの指定管理や県立保健福祉大学公立大学法人化に伴う定数の変動が含まれています。これらの施設は県直で運営すべきと考えていますので、反対いたします。

 

定県第32号議案「附属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例」と定県第33号議案「神奈川県行政機関設置条例及び特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例」についてです。いずれも県民局廃止など本庁機関再編に伴うものですので、反対します。

 

次に、定県第39号議案「神奈川県都市公園条例の一部を改正する条例」についてです。

 一部改正の内容のうち、公募対象公園施設の建ぺい率を上乗せする特例については、公募選定された民間営利企業に、公園内にカフェ・レストランその他の「公共還元型収益施設」の設置・管理を認めるものですが、公共施設である都市公園の本来の機能が損なわれることが懸念されることから、反対します。

 

定県第67号議案「旅館業法施行条例の一部を改正する条例」については、「宿泊しようとするものと面接すること」という現行規定に但し書きを設けて、撮影機器及び通信機器を用いて宿泊者の確認を行う場合はこの限りではないとしています。また「玄関帳場またはフロントを有すること」という現行規定に対し、「迅速な事故対応が可能な設備、宿泊者名簿の正確な記載、鍵の受け渡し、宿泊者以外の出入りの状況の確認が可能な設備があれば、玄関帳場またはフロントを設けなくてもよい」と例外を認めています。

これらはいずれも安全性という点で問題を有すると思われますので、反対いたします。

以上、主な理由を述べ日本共産党県議団の反対討論といたします。