戦争する国づくりストップを!
鶴見から日本共産党の新風を
神奈川県議会議員

木佐木ただまさ

きさき 忠晶

活動日誌 質問

第3回定例会 代表質問

2016年12月6日

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今回の代表質問では、空母の母港化について知事の答弁がこれまでより少し変化しました。

また、これまで奨学金の問題を全面的に検討する担当がないために質問するにも苦労してきましたが、知事が検討するなら県民局になると思うという主旨の答弁がされたことで、委員会などでも取り上げやすくなったことは大きな成果だと感じています(ちなみに、私の所属する県民スポーツ常任委員会がその所管)。

2016 年第3回定例会(2016 年 12 月 1 日)

*一問一答形式に編集

(文責:日本共産党神奈川県議団)
木佐木:日本共産党の木佐木忠晶です。共産党神奈川県議団を代
表して知事に質問いたします。
最初に若者支援について伺います。

「若者をブラック企業・ブラックバイトの被害から守る対策を」

木佐木:いわゆる、ブラック企業やブラックバイトの被害を放置することは、若者の将来が奪われるとともに、社会の担い手を使い捨てにさせる点で社会全体に大きな損害を与えるものです。
神奈川県では、2014年11月25日に「若者の使い捨て撲滅かながわ宣言」を発表し、昨年度から11月を「若年労働者支援強化月間」として取り組みを行っているとのことです。しかし、率直に言ってこの宣言を実現するための県の取り組みとしては、まだまだ不十分ではないかと感じています。
 厚生労働省の行った「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」によれば、学生1000人に調査をした結果、約6割が労働条件等で何らかのトラブルがあったと回答しています。しかしながら、労働条件などで困ったときの相談先はどこかという問いに対しては、「アルバイトをやめた」が10.7%、「何もしなかった」10.1%で合計20.8%に上る一方で、国や自治体など専門の相談窓口に相談した学生は合計で1.6%に過ぎませんでした。この数字は公的な支援がほとんど届いていないことをしめしています。また、労働条件に関する法律について多くの項目で約6割の若者が知らないと答えている、今の状況があることを考えれば、普及啓発が従来の取り組みの繰り返しだけでは不十分ではないでしょうか。
 こうした状況を改善していくためには、改めて県内の若者の働く環境がどうなっているのか、若者からリアルな実態を聞き取り、な
ぜ公的支援が届かないのか、どういった被害が県内で起こっているのかなど県内の課題を浮き彫りにしていく必要があります。厚労省も大学生等の調査を行った後に、対象を高校生まで広げて行うと必要性があると認識し、昨年度高校生を対象としたアルバイトの実態調査も行いました。高校生の間でも、3割の生徒が労働条件等で何らかのトラブルがあったとのことです。
現在の施策の検証と今後の施策の展開をしていくうえで、実態から出発するのは至極当然のことであり、逆に実態をつかまずに行う
ことは方向性を誤らせることになりかねません。
 そこで知事に伺います。「若者の使い捨て撲滅かながわ宣言」の具体的な取り組みとして、若者の働き方の実態を県独自で調査することが必要と考えますが知事の見解を伺います。また、そのうえで県の施策を発展させるべきと考えますが併せて見解をうかがいます。

黒岩知事:木佐木議員のご質問に、順次、お答えします。はじめに、若者支援について、お尋ねがありました。
まず、若者をブラック企業・ブラックバイトの被害から守ることについてです。
最初に、若者の働き方の実態を、県が独自に調査する必要性についてです。
国が平成 27 年度に行った「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」によると、回答者の半数以上が、賃金不払いや急な勤務シフト変更など、労働条件に関する何らかのトラブルに遭っている実態が明らかになっています。
また、県の労働センターが行っている労働相談でも、若者から、「当初言われなかった深夜勤務に回された」「採用 1 年目なのに残
業が多くて体調を崩した」などと言った声が寄せられています。
このように、国の調査や県の労働相談などにより、若者の労働環境の実態の把握に努めておりますので、さらに県が独自に調査を行うことは考えておりません。
次に、ブラック企業等の被害から若者を守る県の施策の展開についてです。
現在、県では、高校、大学等に職員が出向いて「出前労働講座」を実施しているほか、「若年者・就活生向けセミナー」や、特別労働相談会などを実施しているところです。
この労働相談会等では、「最低賃金制度があることを知らなかった」などの声も多く寄せられています。
そこで、今後は、高校生に、労働に関する基礎知識を解り易く解説したリーフレットを配布するとともに、若者が利用しやすいメールによる労働相談を積極的に周知するなど、若者への支援を強化してまいります。

「大学生向け給付制奨学金制度の創設にむけた取り組みを」

木佐木:この問題については、昨年一般質問で取り上げたところですが、その後国も給付型奨学金の創設を明言しそのための制度
設計が行われています。こうした取り組みは大きな一歩ではありますが現在報道されているその中身は対象となる学生について、低所得層に成績要件を課し、2万人以上とも7.5万人とも報道されています。しかし、仮に7.5万人が給付を受けられたとしても学生
の3%に満たない規模であり、非常に限定的であり、不十分なものであるといわなければなりません。
 日本は、世界的に見て大学が高学費でありながら、給付制奨学金がない特異な国となっています。学費の負担は、この30年ほどの間に国立大学で約15倍、私立大学では約5倍にも跳ね上がり、親の経済的負担が限界を超え、学生生活にとって奨学金が不可欠となってきています。学生の2人に1人が卒業時に奨学金返済のため平均300万円もの借金を背負い、社会人として出発しなければならない事態です。
私は、県内の学生の実態を聴いてきました。その中で出されたのは、「親からは月4万円の仕送りをしてもらっている。経済的負担をかけて親に申し訳ないと思う。しかし、それでも足りずアルバイトをしているが忙しくて授業に遅刻したり欠席をしてしまうことがある。生活は苦しいので、食費や服を買う費用を削っている。特に食事は、お米に塩をかけて食べるだけ。やばいと思ったときに野菜の鍋を週一回くらいで食べている。」というものです。その他にも、経済的要因で兄弟が、進学先を変更したという学生もいました。
昨年の教育長の答弁では、大学生支援は国の役割ということでしたが、市町村や都道府県の単位でも大学生向け奨学金制度を設けているところは少なくありません。特に、藤沢市は県内で初の給付型奨学金を創設することが報じられました。報道では、大学授業料に加え入学準備金も含めて4年間で最大320万円支給するとのことです。その上で、市の各部局が連携し生活や学業面での相談に乗るなど継続的な支援が計画されています。そして、藤沢市の総合教育会議の中では市長部局と教育委員会が協議していこうということが話されています。国に多くの学生が利用可能な給付制奨学金制度の創設を要望するとともに、県独自の学生を支援する制度を創設すべきです。
神奈川県でも、神奈川県総合教育会議を設置しています。その概要は「知事と教育委員会とが、相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していく」と説明されています。今これだけ奨学金の問題が国を挙げて議論されているにもかかわらず、総合教育会議では全く問題認識がされていないと感じます。
そこで、より一層民意を反映した教育行政を推進していくというのであれば、まず総合教育会議で検討の場を作り、県独自の給付制奨学金の創設などの実現に向けて取り組むべきと考えますが知事の見解をうかがいます。

黒岩知事:総合教育会議は、地方公共団体の長と教育委員会という対等な執行機関同士の協議・調整の場であり、相互の意思疎通を図り、より一層民意を反映した教育行政の推進を図ることを目的とするものです。
これまでも総合教育会議では、教育を取り巻く様々な課題について議論しており、子どもの貧困等を踏まえた就学支援についても議題として取り上げ、幅広い視点で教育委員との意見交換を行い、取組みを進めてまいりました。
なお、大学生については、国において、給付型奨学金制度の創設が検討されておりますので、その動向を引き続き注視してまいります。

「地方交付税の削減を止めるよう求めよ」

木佐木:本年 10 月 27 日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会に財務省は、地方自治体全体の収支見通しを示す地方財政計画の見積もりが実態より過大だとして、計画を適正な規模に見直すとともに地方交付税交付金の縮減方向を示しました。財務省の資料によると地方の歳出総額は決算額ベースでは、地方財政計画を上回る状況にあるとのことで、財務省は地方財政計画に計上されていない地方税収の上振れ分や基金の取り崩しなどを使った支出が決算額を膨らませていると分析しています。そしてこれらの支出を除けば、計画額が決算額より実質的に 1 兆円前後多い状態が続いているとして是正の必要性を述べています。
 また、地方の基金残高は、2014 年度末で借金返済分などを除き、18 兆 7000 億円となっているため、この基金の取り崩しが必要だとしています。
さらに、2016年度から始まったトップランナー方式の導入で、指定管理者や民間委託のさらなる推進と技能労務職員の削減などものべられるなど、一層の経費削減を進めるよう求めています。
これまで地方自治体は、政策的経費である公共事業を抑制したり、義務的経費の削減をして財政を均衡させるために苦労してきましたが、その中で、指定管理者制度の導入や民間委託、人件費の削減などについて、県民の福祉の観点から問題が多い手法も数々みられることをわが会派は指摘してきたところです。このうえ、財務省が出した地方交付税の削減の方向性は、自治体固有の状況を無視し、これまでの地方自治体の取り組みをないがしろにするものとして、到底認めることはできません。
そこで、知事に伺います。これまで、三位一体改革で地方交付税を削ってきた状況が地方自治体に与えた影響を考えても、これ以上の地方交付税の削減は止めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。さらに、全国知事会などを通じ、国にこの方向性を止めるべきと働き掛けていく必要があると思いますが、併せて見解を伺います。

黒岩知事:そもそも、地方自治体が地域の実情に即した施策を自主的・自立的に行うためには、仕事量に見合った税源を確保する必要があります。
しかしながら、現行制度では、地方と国の税源配分が4対6であるにも関わらず、歳出規模は6対4と逆転しており、地方は、仕事量にあった税源を確保できていないという根本的な問題があります。
そこで、現行の地方税財政制度を抜本的に見直し、消費税と地方消費税の配分の見直しや所得税から住民税への一層の税源移譲などにより地方の仕事量に見合った税源を確保することが不可欠であります。
そして、地方の財源を保障するための地方交付税の原資が不足し、総額が十分に確保されていないということも大きな問題です。
本来、地方の財源が不足する場合には、国は、地方交付税の法定率を引き上げ、交付税総額を確保する責務があります。
更に、国が一方的に地方に借金の肩代わりをさせている臨時財政対策債についても、早急に廃止し、本来の地方交付税に復元する必要があります。
したがって、財務省が示している地方の実態を無視した交付税の一方的な削減は、到底、容認できるものではありません。
県では従来から、国への提案の場や全国知事会などを通じて、国から地方への一層の税源移譲や地方交付税総額の確保などについて国に要請してまいりました。
今後とも、地方のための十分な財源が確保されるよう強力に要請してまいります。

木佐木:質問の第3は障がい者福祉施策について 2 点質問します。

「障がい者福祉施策職員の配置基準を改善すべき」

木佐木:10 月 14 日の本会議において県議会は、「ともに生きる社会かながわ憲章」を全会一致で可決しました。私たちも策定過程において課題があったことを指摘しながら、この憲章の策定をスタートとして障がい者施策の推進と差別のない社会づくりの具体的な取り組みを始めなければならないと発言し、賛成しました。
11 月 25 日に津久井やまゆり園事件検証委員会は、これまでの検証を報告書にまとめ、公表しました。 報告書は、障害福祉の在り方を改めて問われることになったが、関係機関等の対応についての検証が中心であるため、こうした課題への検討は他に譲るとされておりますので、そういった観点から、今回の津久井やまゆり園の事件で明らかになった現状と課題を解決するための今後の取り組みに関連して伺います。
報告書で特に注目されるのは、障がい者への偏見や差別的思考の排除の福祉施設における人材育成という点です。その結びでは、「今回の事件を踏まえ、福祉施設の人材育成が重要となる中、改めて、福祉施設で働く中での困難さや、障がい者への支援にあたっての思いを、職員同士が共有できるような環境づくり、仕組みづくりを行い、職員同士がコミュニケーションを図っていくことが大切である。」と述べています。
福祉施設での職員の配置基準では、夜間勤務で60人までの利用者であれば、1人の支援員で良いとなっていますが、そのほかに夜勤加算などがあり、職員を増やすことができるようになっています。ちなみに、津久井やまゆり園では、20人に対し1人の支援員という配置になっていました。津久井やまゆり園の事件後、神奈川県手をつなぐ育成会は、県に対する要望の中で「夜勤時に利用者20人に1人という体制は災害時などを考えても極めて不適切であり、早急に基準の見直しを含めた対応を」求めています。私たちもこのような状況を改善し、職員の配置基準をもっと手厚くすべきと考えます。
そこで障がい者施設の職員の配置基準など、施設運営の基準をもっと厚くするよう国に求める必要があると思いますが知事の見解を伺います。そして、国がこの基準を改定するまでは県として独自に配置を増やすべきと考えますが、併せて見解を伺います。

黒岩知事:まず、施設職員の配置基準についてです。施設の職員配置については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づき、生活支援員等の人員基準が定められています。県立施設においては、民間施設では支援の難しい重度の利用者を多く受け入れていることから、現状でも、国の基準を上回る職員配置となっています。
民間の福祉施設においては、利用者の加齢による重度化などにより、国が定める人員配置基準や報酬体系では、十分な支援を行うことが困難な状況もあると伺っています。
そこで、本県としても国に対して、施設や事業の実態を勘案した人員配置基準への見直しや、手厚い人員配置を行う施設等に対する加算制度の拡充を要望しています。

「障がい者福祉施設職員の研修体制の充実を」

木佐木:津久井やまゆり園の事件は、施設の元職員が事件を起こした点で一層衝撃的でした。知的障がい者施設の職員になるためには、特に資格要件が規定されていませんので、施設職員は、必ずしも最初から専門性を有しているわけではなく、福祉のことを学ぶことなく仕事に就く方もいます。仕事に従事する上で施設内での研修などを行うとは思いますが、障がい者の特性や虐待の防止、人権意識の向上などを研修や仕事をする中で確立していく必要があります。
職員への研修については、施設が行うことも重要であるとともに、県としてそれらの研修を支援し、人権意識の向上を図るための取り
組みが必要です。そのためには職員配置、グループワークや事例検証などを行えるような体制の整備も求められます。
そこで、施設内での研修の必要性についてどのように認識しているのか、また、障がい者福祉に関わる県の役割として、研修などの人材育成と人材確保がありますが、県としてこのような研修の予算と体制、施設への助成などをもっと強化する必要があると考えますが、知事の見解を伺います。

黒岩知事:まず、施設内での研修の必要性についてです。障がい者支援施設で働く生活支援員は、知識や技術、経験のある方だけでなく、これらのない方が採用される場合があります。そのため、「初任者研修」や、習熟度に合わせた「階層別研修」の実施など、それぞれの施設の実情に応じた継続的な研修が必要です。こうした効果的な研修を実施することにより、施設の職員一人ひとりが、専門性を高めて職務に当たることができるものと考えます。次に、県の役割としての研修の取組みについてです。県では、民間事業所の職員の人材育成を目的とした「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修」や、「強度行動障害支援者養成研修」、「障害者虐待防止・権利擁護研修」等を実施しています。
今後、県では「津久井やまゆり園事件検証委員会」の報告を踏まえ、さらに効果的な研修を実施することにより、人材育成にしっかりと取り組んでまいります。

「空母艦載機による爆音被害の根絶のため母港化撤回を求めよ」

木佐木:日米政府間で、米軍空母艦載機の岩国への移駐が「2017年頃までには完了する」ことが合意・確認されており、その期限が迫っています。
しかし移駐の具体的なスケジュールや移駐後の厚木基地周辺における騒音状況の予測について、いまだに示されず不明な状況です。そして、 移駐後も空母艦載機の修理は厚木の民間工場でおこなわれることが明らかになっています。
今年5月 13 日付神奈川新聞では、次のように報道されています。
5月 11 日、米海軍司令部作戦部長のジョン・ピタ中佐が、硫黄島での艦載機離着陸訓練に同行した記者団に対して「あらゆる通常訓練に伴い、移駐後も厚木で艦載機を見かけることはある。」と明言し、航空自衛隊との共同訓練や、陸上自衛隊富士演習場(静岡県)での空対地射撃訓練を例示し、厚木基地に駐機したり、給油で立ち寄ったりする方針を示した。とのことです。このように、艦載機の厚木基地への飛来は移駐後もなくならないことは明白です。 爆音被害の根本的解決、その根絶には、米空母横須賀母港返上が必要です。知事は、私たち日本共産党県議団の代表質問にたいして、「空母の横須賀配備は日米安全保障条約に基づくものであります。」と答弁しました。
しかし、日米安全保障条約そのものに横須賀を米空母の母港にすると書いてあるわけではないし、日米安保条約締結の当初からそうだったわけでもありません。いわゆる「ニクソン・ドクトリン」に基づくアメリカの世界戦略の見直しと米軍再編の一環として進められ、1972 年11月に田中内閣が、承認を決定し唯一の米海軍海外母港となったわけです。
他方でアメリカは、日本以外に NATO 加盟国であるギリシャなどでも空母の母港化を追求していました。アテネ郊外のエレフシスで、横須賀と同様、73年に母港化計画がすすめられ、駆逐戦隊の母港化を先行したものの、翌74年に新政府が国民や自治体の強い反対で母港化計画を断り、駆逐戦隊も撤去することとなりました。
こうしたことからも、条約を締結し軍事同盟関係にあるからといって、空母の母港化と艦載機の訓練を受け入れることが当然の義務になるわけではありません。
日米安全保障条約の運用のあり方として、基地を抱え、基地負担の重みに苦しむ自治体が、その改善を日本政府やアメリカ政府に求めることは、住民の命、健康と安全を守る自治体として、特に核兵器の廃絶と基地の整理・縮小・返還を県是とする神奈川県として最低限度の責務ではないのでしょうか。世界で唯一の海外母港と空母艦載機の人口密集地での訓練を押しつけられて苦しめられてきたことを強く米国や世界に訴え、横須賀の空母母港化撤回と艦載機の爆音被害根絶の実現をめざすべきと考えます。
そこで知事に伺います。既に指摘したように、横須賀の空母母港化は安保条約があるからと言って、必ずしも受け入れなければならないものではありません。
本気で県民の騒音被害を根絶しようと思うのであれば、安保を支持する立場にあっても、騒音被害の根絶のために横須賀の母港化撤回を国と米軍に求めていくことが知事の責務と考えるが知事の見解を伺います。

黒岩知事:私は、我が国を取り巻く安全保障環境がこれまでになく厳しさを増す中、日米安全保障体制は大変重要であり、尊重すべきものと考えています。
そうした中、空母の配備については、日米安全保障条約に基づき、日米両国政府が判断したものと受け止めています。
一方で、本県には、人口密集地域に多くの米軍基地が所在し、県民生活に大きな影響を及ぼしていることから、県民の基地負担を出来る限り軽減することは、県の重要な責務であると認識しています。
特に、厚木基地周辺住民が、長年にわたり耐え難い苦痛を強いられてきた航空機騒音問題の抜本的な解決は、本県基地問題の重要な課題です。
そのため、本県では、基地関係市や県議会議員等で構成する厚木基地騒音対策協議会を通じて、一日も早い空母艦載機移駐の実現や、それまでの間の騒音対策の実施等を、引き続き、日米両国政府に強く求めてまいります。

「外国人家事支援人材の受け入れについて」

木佐木:本県は女性の活躍促進や家事支援ニーズへの対応、中長期的な経済成長の観点から、国家戦略特別区域制度を活用して、外国人家事支援人材の試行的受入を行うことを始めました。
しかし、外国人の「報酬額は、日本人が従事する場合の報酬と同等額以上」と定められたなかで、かなりの経済力のある家庭でなければ利用できない、多くの女性の社会進出に役立つとは思えない、という指摘がこの間の産業労働常任委員会で相次ぎました。
「女性の社会進出のために、家事支援が必要」であるなら、外から見えにくい個人家庭での家事支援における労働条件の確立をどうするか、日本社会として真剣な検討が必要です。それなしに、「日本人の人材が確保できないから外国人の導入を」と言うのは、あまりにも安易で無責任な姿勢と言わざるを得ません。
単純労働あるいは未熟練労働への外国人受入れの突破口になる可能性が極めて高いとの指摘もあります。未熟練外国人労働者の受入れについては、拙速に国家戦略特区で前例をつくるということではなくて、外国人労働者の権利や人権保障の制度をしっかりとつくることが優先されるべきです。また日本の労働市場との関係などについても国民的な十分な議論が必要です。そういうことをしないで拙速に特区における外国人家事労働者の受入れをすることには極めて問題が大きい、との指摘が、国会参考人質疑のなかでおこなわれていることは受けとめる必要があると考えます。
県は、国家戦略特区の提案書において、「活用する規制改革事項」として、「技能実習の職域への“家事支援”の追加」と提案しています。しかし、外国人技能実習生をめぐっては、多くの問題が浮き彫りになっています。例えば、送り出し国において保証金の徴収がなされたり、違約金契約を結ばされ、家族を保証人にして辞められなくする、また渡航費のための借金を背負うなど、日本での権利の主張ができなくなり、実習生の人権が侵害される、こういうケースが多く報告されています。対策が講じられても、なかなか実効性を持たず、こうした問題は依然として未解決のままです。それなのに、なぜ県は、「技能実習の職域への“家事支援”の追加」などと提案できるのか非常に疑問であり、このようなことを神奈川県が国に提案して全国に先駆けておこなうなどということはやめるべきです。
そこで、知事にうかがいます。 国家戦略特区・外国人家事支援人材の活用を神奈川県として提案するにあたって、外国人技能実習生をめぐり発生している深刻な事例など、外国人労働者の人権や労働条件をめぐる問題についてどう認識していたのでしょうか。また、今後、実際にこの施策を実施していく中で、問題が生じないように、どのように取り組むのか併せて見解をうかがいます。

黒岩知事:まず、外国人労働者の人権や、労働条件をめぐる問題への認識についてです。
議員のお話にあった外国人技能実習生に関しては、労働基準監督署等の監督指導により、これまでに違法な長時間労働や、賃金不払い残業などが認められたことから、国は指導を強化することとしています。
私は、国家戦略特区に「家事支援外国人受入事業」を提案した時もそして今も、外国人労働者の人権は、当然、保護されるべきであり、労働条件についても、労働者の国籍を問わず、労働関係法令に違反する行為はあってはならないと認識しています。
次に、今後、外国人家事支援人材を適正に受け入れていくための、県の取組みについてです。
まず、受け入れる事業者が、国の定める基準に適合しているか「確認」する際に、県のほか、内閣府や東京入国管理局等を構成員とする第三者管理協議会において、雇用する外国人の報酬額や住居の広さなどが、適正な事業計画となっているかチェックしています。
また、今後、家事支援サービスの提供が開始された後には、事業所等に出向いて定期又は随時、監査を実施することにより、労働条件等が守られているのかを、しっかりとチェックしてまいります。
そして、違反行為等があった場合には、第三者管理協議会の構成員と協議のうえ、速やかに事業者に対して是正指導を行ってまいります。

「神奈川朝鮮学園への学費補助は交付すべき」

木佐木:神奈川県は、外国人学校への経常費補助をやめたのちに、県内で学ぶ子どもたちに教育の機会を保障するためにも学費補助制度で外国人学校に通う生徒たちに対して補助を行ってきました。しかし、その際に特定の学校に対して教科書改訂を交付の前提としました。
本年3月文部科学省より都道府県に知事にたいし「朝鮮学校にかかる補助金交付に関する留意点について」という通知が出されました。これに対し、神奈川県弁護士会から、この政府認識は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(差別解消法)で許されないとされている差別的言動を,政府自らが助長するおそれもあることや核実験や拉致問題等の国家間の問題を,それらについて何の責任もない朝鮮学校の児童・生徒に対する補助金交付と関連づけ、その抑制の理由とすることは憲法や子どもの権利条約等に違反すると。と指摘されています。
しかし先般、知事は神奈川朝鮮学園の使う教科書が改訂されないことを受けそこに通う生徒の学費補助の交付決定を留保するとしました。これまで、知事自身が「子どもたちに罪はない」と何とか学費補助という形で、各種学校に通う子どもたちの支援を継続してきたにもかかわらず、その思いに反する判断だと考えます。
11月 22 日の記者会見において知事は、教科書改訂は交付の前提であり、政治、外交的問題ではなく信義の問題だとコメントしま
した。何故、朝鮮学園に対してのみこのような前提が設けられるのでしょうか。教科書改訂という前提を設けること自体が、私学の自
主性を重んじるという私立学校法の理念を損ねるものです。それはまさに政治・外交問題に起因しているのではないでしょうか。
そこで知事に伺います。学費補助は知事自身が何度も何度も言っているように学校に対する補助金ではなく生徒に対する補助金です。朝鮮学園の対応でそこに通う生徒にしわ寄せを強いるということは、県が経常費補助から学費補助へと制度を変更してまで生徒の学ぶ環境を守ろうとした態度と矛盾するものであり、留保をやめて交付決定すべきと考えますが認識を伺います。

黒岩知事:県は、平成 23 年に朝鮮学校の教科書から拉致問題の記述が削除されて以来、神奈川朝鮮学園に対し、教科書を改訂し、拉致問題を明確に記述するよう、繰り返し求めてきました。
朝鮮学校の児童・生徒に対する学費補助金については、学園から平成 28 年度中に教科書の改訂作業を行う予定と説明がありましたので、その中で拉致問題について明確に記述することを前提に執行してきました。
しかし、10 月 25 日に学園から、「当初予定した『現代朝鮮歴史Ⅲ』教科書の改訂が困難になった」という回答がありました。
拉致問題の記述が削除されて5年以上が経過し、改訂の見送りも2度目となれば、これまで学園との間で重んじてきた信義が損なわれるものと考えざるを得ません。
このような状況で学費補助を継続することは、県民の理解を得られないと判断し、朝鮮学校の児童・生徒への学費補助金については、学園で使用する教科書に拉致問題の明確な記述が確認できるまで、交付決定を留保することとしました。
したがって、現時点で、交付決定を留保する考えに変更はありません。

再質問

「若者をブラック企業・ブラックバイトの被害から守ることについて」

木佐木:知事が、先ほど神奈川県の取組み説明していただきましたが、先ほど質問の中でも紹介したように、多くの若者は公の相談所窓口、ここに繋がっていない、圧倒的に多くの若者は公的支援が届いていないという状況を示しました。そうした中で、今、県が聞いている声、果たしてそれですべて県内の若者の実態をつかみきれていると言えるのか、私は甚だ疑問だと思います。そうした実態をつかんでいない中で、今、知事が説明をした取組で、果たして県内の若者使い捨て、この撲滅ができる取組みであると知事は考えているのか、再度聞きたいと思います。

黒岩知事:まずは、ブラック企業・ブラックバイトについて。
やはり、県独自で実態調査をして実態をつかんだうえで、対応すべきではないかというご質問でありました。
先ほど申し上げたように、既に国の調査、県の労働相談などによりまして、労働環境の実態の把握といったことを努めております。
それに対してどうするかということを、今から問われているわけでして、実態を調査ばかりしてもですね、実際に前に進まなければ意
味がないものであります。そんな中で、先ほど申し上げましたように、様々な高校生に労働に関する基礎知識を解り易く解説したリーフレットを配布するとともに、若者が利用しやすいメールによる労働相談を積極的に周知するなど、具体の策を進めていこうというわけであります。

「奨学金の創設について」
木佐木:次に、奨学金の創設について伺います。
国の動向を注視していくという答弁でしたけれども、具体的にどういう姿勢で国の動向を見守っていくか。また、それについてどう検討していくかが問われていると思います。
県として独自の取組みが必要かどうかをしっかりと検討するためにも、担当する課や検討する場所が必要だと考えますが、こうしたものの必要性について知事はどう認識しているのか質問いたします。
黒岩知事:大学生に対する給付金、奨学金制度の創設について、これは国の動向をどのような姿勢で見守るのかということでありましたが、姿勢も何も、どうなるのかということを見守っているところでありました。
それが、どのようになるのかを見ながら、県としての対応を考えていきたいというふうに考えております。
答弁は以上です。

木佐木:再質問においては、検討する場の必要性や検討するその担当課、そうしたものの必要性についても伺ったのですが、そのことに対して、再々答弁いただきたいと思います。

黒岩知事:どこの部局で担当するかと、検討するかということですが、基本的には県民局になると思います。
答弁は以上です。

要望
木佐木:それでは、最後に要望をさせていただきたいと思います。
「若者支援について」
まず、若者支援について要望を申し上げます。現在、若者を取り巻く環境は、これまで以上に厳しいものになっていると、是非、認識していただきたいと思います。県内の若者の状況に耳を傾け、心を寄せ、手を差し伸べる。これが、県政に求められています。
若者の働き方については、実態調査を県として行って欲しいということを求めましたが、知事は、国の調査で十分であるということでしたが、子どもの貧困については、ひとり親家庭に限定はされているものの、県民の直接の声、直接の実態を聞こうと県独自で調査をしています。また、昨日の質問の中でも、県警本部長から県内の実態をしっかりと見極める中で、効果的な具体的な対応が行われる、そうしたことなども答弁していたかと思います。こうした中で、そうした姿勢を、若者の分野でも是非見せていただきたいと思います。

「給付性奨学金について」
今、知事からは、もし奨学金について検討するのであれば県民局になるというようなことでしたので、ちょうど私は、県民・スポーツ常任委員会がありますので、委員会の中でも、こうしたことをしっかりと議論してまいりたいと思います。
また、奨学金制度については、昨日の神奈川新聞で、三浦市も政府の動きを見据えて、給付型奨学金の創設を提案するという報道がされていました。今までは、神奈川県には、こういった検討する場所、担当がなかったことから、今、知事が全くひとごとのような答弁だったかと思いますが、今後は神奈川県としても、是非、こうした県民の声、しっかりと受け止めてほしいと思います。
そのためにも、もう1人、実態を少しご紹介したいと思いますが、県外から進学をしてきた県内の私立に通う学生は、月6万4千円の
奨学金を借りている。家賃や水光熱費を払うとほとんど何も残らない。奨学金が振り込まれる数日前は本当に大変で、この学生は、2日間絶食をして何とかしのいだりしているそうです。教科書など、大学で必要な書籍も買えず、授業開講後も、5週経ってようやくそろえることができた。
こうした状況をしっかりと手を差し伸べるためにも、安心して学べる給付制奨学金の検討、県として国がカバーできないそうした学生
に対して手を差し伸べることをしっかりと検討していただきたいと思います。

「外国人家事支援人材の受け入れについて」
様々な懸念が山積する中、特区として先行的に実施を神奈川県が行う。こうした必要性について、改めて疑問が残ります。
万が一にも、人権侵害や労働条件・労働環境の引下げになるような運用にならない、そうした仕組みをつくることを県に対して要望したいと思います。

「空母艦載機による爆音の根絶について」
空母艦載機の移駐が実現すれば、爆音被害は根絶されると知事はお考えでしょうか。政府は未だにそのことについては明らかにしていませんが、厚木基地周辺の神奈川県における爆音被害は残されるということがすでに明らかだと思います。市街地上空での訓練飛行は、アメリカ本国では行われず、野生動物の生態系への影響さえ考慮している、そうした訓練です。
市街地上空での飛行訓練と空母母港化とは一体のものです。艦載機の飛行訓練を伴う空母が、横須賀を母港にしている、横須賀がアメリカにとって唯一の海外母港になっている、こうした状況を解消することこそ、根本的解決の道であると考えます。そしてそのことは、日米安全保障条約のもとでも、住民生活を守るために主張すべきではないでしょうか。日米安全保障条約があるから、米空母の横須賀母港化と市街地上空での訓練飛行を押し付けられてもしかたないということではないということを重ねて申し上げたいと思います。