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神奈川県議会議員

木佐木ただまさ

きさき 忠晶

活動日誌 質問

12月定例会一般質問

2015年12月10日

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第3回定例会(2015年12月8日)

 木佐木ただまさ議員の一般質問と答弁 *一問一答形式に編集

(文責:日本共産党神奈川県議団)

 

 

日本共産党の木佐木ただまさです。私は日本共産党神奈川県議団の一員として、通告にしたがい順次質問をさせていただきます。

知事、教育長並びに保健福祉局長におかれましては、誠実な答弁のほどよろしくお願いします。

 

木佐木議員:質問の第1は「教育を受ける機会の確保について」です。

 まず、(1)給付制奨学金の拡充について伺います。

 2012年9月に、日本政府は高校・大学までの段階的な無償化を定めた国際人権A規約(13条2項b、c)の適用の留保撤回を行いました。

 国際人権規約13条1項では、「教育が人格の完成および人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。」とされており、教育を受ける権利はこれからの社会を担っていく子どもたちにとって大変重要なものです。

 そして、国際人権規約においてこの教育を受ける権利は社会権に位置付けられており、国家の介入を許さない自由権とは異なって、むしろ権利実現のために国家が積極的に取り組むことが求められるものです。

 留保撤回をしたことは今後、さまざまな要因で教育を受ける機会が絶たれることの無いように制度整備を行う意思を示したものと受け止めています。

  神奈川県としても、「子どもの貧困対策推進計画」のなかでも教育を受ける機会の確保を位置付けているように、子どもたちに充実した教育を受ける機会をしっかりと保障することは、貧困の連鎖を断ち切り、より豊かな社会をつくる基盤になるものです。

 現在、学費の負担はこれまでに比べ軽減されてきましたが、高校に通うにも学費以外に様々な費用が掛かり、家計への負担は相変わらず大きく、高校での学びの機会をしっかり確保するためには学費の無償化だけでは足りません。

 H24年度の文科省による「子どもの学習費調査」によれば学費を除いた学校教育費は、公立で年間約23万、私立で年間約72万となっています。

 高校に通う生徒・家庭に向けて国の「高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金」があり、県としてもこの具体化として「神奈川県高校生等奨学給付金」に取り組んでいますが、この制度は現在生活保護世帯及び非課税世帯のみが対象とされており、それ以外の世帯では受けることができません。

 高校生の段階で、家計を支えるためにアルバイトをし、遅刻や休みがちになった結果、勉強についていけずに中途退学をしてしまう生徒もいます。

 神奈川県では、今年度貸与制奨学金を借りながら高校に通っている生徒は、公立私立合わせて4979人に上ります。将来の不安から、借金になる奨学金を借りることをためらってしまう生徒もいます。

 奨学金は、英語でスカラーシップと訳されますが、国際的には給付制奨学金を指し、日本において多く行われている貸与制はローンと呼ばれるものです。

 県内すべての生徒に教育の機会を確保し、県の将来を担う若者の学びを支えるためには、貸与制でも所得制限つきでもない、給付制奨学金が必要です。

 そこで、県内の高校生が安心して高校生活を送るために、給付制奨学金をより多くの高校生が利用できるものに拡充する必要があると考えますが、教育長に見解を伺います。

 

桐谷教育長:教育関係についてお答えします。給付制奨学金の拡充についてお尋ねがありました。現在給付型の就学支援については、公立、私立高校共、高校授業料無償化の見直しなどにより、就学支援金制度を導入しております。あわせて住民税所得割の非課税世帯などに対して国庫補助制度を活用して、授業料以外の教育費に充てるために高校生等奨学給付金を支給しています。県教育委員会では、こうした国の支援制度に対し、これまでの支給条件の緩和など見直しを働きかけてきました。その結果今年度からは通信制過程の高校に通う生活保護受給世帯の生徒も奨学給付金の支給対象とすることができました。県教育委員会では経済的に課題を抱えた生徒の就学支援は大切なことと考えており、今後とも本県の奨学金制度の維持改善とともに、全国都道府県教育長協議会などを通じて国に制度拡充を働きかけてまいります。

 

 

木佐木議員:続いて、(2)国際人権規約に基づく高等教育の機会の確保について質問します。

「H26年度 神奈川県学校基本調査」によれば大学等への進学率は61%です。そして大学生の2人に1人の割合で奨学金制度を利用しているともいわれています。 

去る11月24日、OECDの発表した加盟国調査では、2012年のGDPに占める教育機関への公的支出の割合で、日本は比較可能な32か国の中で6年連続で最下位であるとのことです。

こうした、教育予算が他国に比べて低い状況にあるにもかかわらず、政府はさらに今後15年間で国から国立大学への支出を1948億円削減するという、国立大学の学費を値上がりさせるという逆方向へと踏み出そうとしています。仮に、政府の計画を授業料だけで穴埋めすると15年後には40万円も値上がりし、国立大学の学費が93万円程度になる可能性もあります。

こうした、国立大学の状況は他の公立大学・私立大学に波及し学費値上げの連鎖が引き起こされかねません。そうなれば、ますます高等教育の漸進的無償化の流れに逆行することになります。

 現在大学生向けの奨学金事業を行っている日本学生支援機構では、給付制のものはなく多くが有利子の貸し付けとなっています。こうした、奨学金制度では卒業後に多額の借金を抱えることとなります。

日本学生支援機構の報告書に自らの事業はアメリカでのローン事業と似ているとしています。

 先日、私も参加をした私学のつどいで、県内の高校に通う高校生の次のような実態が紹介されました。「私のうちは決して裕福な家庭ではないけれども、姉妹で私立に通っている。進路を考える中で4年制の大学への進学を親に相談したが、家計の事情で、多額の奨学金を借りなければ大学に通わせられないと言われた。高校でも奨学金を借りながら通っているので、これ以上奨学金を借りるのは厳しく、最終的には4年制大学への進学は諦めた。短大への進学が決まったが、4年制大学に通い勉強したかったという気持ちがぬぐいきれない。短大に通うにしても、アルバイトで学費を稼がなければならず、先のことを考えると不安になることが多々ある。自分のように学費やお金の問題で進学をあきらめざるを得ない人がこれ以上増えてほしくない。そして、妹にこんな思いをさせたくない。」 こうした、県内の若者が学費やお金のために大学への進学を諦めている実態が現にあります。

 残念ながら、現在神奈川県としては大学生に向けた奨学金制度がありません。

 大学などでの高等教育は、単に個人のキャリアを積む場所ではなく、人格の完成や理論や実践を通じ、その後得たものは社会へと還元されます。 

 こうしたことから他県や市町村では、大学生に向けた奨学金制度を行い、進学を支援しているところがあります。

 鹿児島県では、本年の9月補正予算において「大学等入学時に対応した新たな奨学金制度を創設し進学に伴う経済的負担の軽減を図ること」などを目的に、貸与制度、返還免除制度とともに給付型制度も創設をしました。報道によれば、今後この事業は100億円程度の規模を見込んでいるとのことであります。

  こうした状況において、教育の機会を確保し学ぶ意欲のある若者が学費などの心配なく学ぶ環境を早急に整備し、大学等への進学を支援することは多くの県民の願いです。

そこで、県教育委員会として、大学生に対する給付制奨学金の必要性についてどのような見解をもっているのか、また、大学生に対する奨学金は、本来国が行う事業であることから、給付制奨学金制度の早期の整備を国に求めるべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

 

桐谷教育長:国際人権規約に基づく高等教育の機会の確保について、お尋ねがありました。大学生に対する給付制奨学金は経済的に困難を抱える高校生の進路保障に繋がる事が期待できます。こうした大学生の奨学金については大学などの高等教育機関を所管する国の役割であると考えています。そうしたことから県教育委員会では、まずは大学入学時に求められる多額の費用を支援する給付型一時金制度の創設を全国都道府県教育長協議会等を通じて、国に要望しています。

 

木佐木議員:そして、国の制度が不十分な中、他の自治体では大学生向けの奨学金事業を行っているところもあります。県教育委員会としても、学ぶ意欲のある若者がその思いを諦めないで済むように教育の機会を保障するための大学生向けの奨学金制度、特に給付制の奨学金制度を創設すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

 

桐谷教育長:次に県教育委員会による給付金奨学制度の創設、についてです。大学生に対する就学支援は国の役割であり、現に国が日本学生支援機構を通じて大学生への奨学金貸与業務を行っておりますので、県教育委員会としては現時点でそうした制度の創設は予定しておりません。

 

 

木佐木議員:質問の第2は介護保険制度についてです。

 まず、制度改定による介護事業者への影響について伺います。

 今年の4月から介護保険制度が改定されました。

改定の主なものは、要支援の方のデイサービスと訪問介護が、予防給付から総合事業へと移行すること、年金収入で年収280万円以上の方の利用料が1割から2割負担へと増額されるものでした。

 さらに、介護報酬は、制度開始以来の大幅な引き下げが行われ、多くの介護事業者に影響を及ぼしています。

 東京商工リサーチの集計では、2015年1月から9月までの老人福祉・介護事業者の倒産は57件を数え、前年同月比で42.5%の増となり、過去最悪ペースで推移しているとのことです。

さらに、東洋経済オンラインによりますと、介護事業で最大手のニチイ学館が、今期の業績予想を大幅に下方修正し、通期の経常利益が従来の61億円の黒字から、24億円の赤字へと転落するとのことです。

最大の要因は、人手不足による介護事業の不振です。

このような全国的な状況は神奈川県内でも影響を及ぼしています。

神奈川県が所管する地域の介護事業者の廃止件数を比較しますと、2014年4月から10月までの廃止事業所数は104件だったものが、2015年の同期間では161件と約1.5倍となっています。また、2015年3月の廃止件数は65件となっており、他の月の約3倍で、介護報酬の減額改定を見て事業継続を断念した事業所が多いと推測されます。

 今後、介護認定者が増え、介護サービスの提供体制を拡充しなければならないにもかかわらず、事業者にとっては、介護報酬の引き下げが大きな影響を及ぼしているのは間違いありません。

私は、ある介護事業所の方から話を聞きましたが、その事業所は法人として10の事業所を持っていますが、半年で前年度と比較して1000万円の収入減になっており、中でも通所系のサービスを実施している2つの事業所だけで500万円の収入減となっているようです。これはデイサービスなどの介護予防事業に対する報酬の減額が大きく影響しているとのことでした。このままでは赤字になってしまうため、管理職の冬のボーナスが出せないかもしれないと頭を抱えていました。

このように今度の制度改定と介護報酬の引き下げは、介護事業者に大きな影響を及ぼしていますが、知事はこのような状況をどのように認識しておられるでしょうか、見解を伺います。

 

黒岩知事:介護保険制度について何点かお尋ねがありました。まず、制度改定による介護事業者への影響についてです。介護報酬は事業所が介護サービスを提供した場合にその対価として支払われるサービス費用です。今回の報酬改定では、介護職員の処遇改善、物価の動向、介護事業者の経営状況等ふまえて率として2.27%の引き下げが行われたところです。改定後の事業所の状況ですが、県が所管する居宅系サービス事業所を例にあげますと、今年度10月末までの事業所の廃止件数は161件で、前年度の同じ時期と比べ5割程度増加しています。廃止の理由は経営上の理由だけでなく、利用者や介護職員の確保ができないといったものも多くなっています。一方今年度10月末までの事業所の新規指定件数は274件で大幅に廃止件数を上回っています。こうしたことから廃止事業所の増加が今回のマイナス改定の影響によるものかどうかを判断することは難しいと考えています。介護報酬の改定に伴う事業者への影響については、国の社会保障審議会、介護給付  分科会において次期改定にむけた経営実態調査を行いますので、その結果を注視してまいります。

 

木佐木議員:次に介護従事者の実態把握についてです。

安倍政権は、9月にアベノミクスの第2ステージとして、介護離職者0の目標を掲げました。今後どのような対策を進めるのか注目したいと思いますが、介護従事者の労働状況は、到底、目標達成はできないという実態が広がっています。

介護労働安定センターの調査によりますと59.3%の事業所が人員不足を感じており、前年度よりも2.8ポイント増加しています。そして、人員不足を感じる事業所の72.2%が「採用が困難」であるとし、その理由として61.3%の事業所が「賃金が低い」と回答。また、「精神的・肉体的に仕事がきつい」と答えた方は49.3%という状況でした。

国は、今度の介護報酬の改定で介護従事者処遇改善事業を設け、一定の条件を満たしたところでは介護従事者の賃金を月1万2000円引き上げる支援を導入しています。

しかし、全労連の介護・ヘルパーネットの調査、これは中間報告の段階で3353人が回答しておりますが、この調査によりますと介護労働者全体の給与は全産業平均より月8万円ほど低いことが示されました。また、介護従事者処遇改善事業については、加算の条件が厳しいなどの問題があり、この事業の効果を実感していると回答した方はわずか4.1%でした。

このように介護従事者の労働条件はほとんど改善がされていないのが現状であり、国の介護従事者処遇改善事業も一時的なもので介護従事者の恒久的な労働条件の改善につながっていない状況です。知事はこのような状況をどのように認識しておられるのでしょうか、お聞かせください。

 

黒岩知事:次に介護従事者の実態把握についてです。介護従事者の処遇改善状況については国による調査が行われています。平成25年度介護従事者処遇状況等調査結果では、給与等の処遇改善のとりくみが着実に浸透しているものの、キャリア  取り組みについては依然として改善の余地があると指摘されております。こうしたことを踏まえ、県としても引き続き事業者による介護職員の資質向上やキャリアアップの取り組みなどが必要であると考えます。

 

木佐木議員:そして、このような介護従事者の実態をしっかりと把握することがとても重要と思いますので、アンケートなども使いながら、県内のすべての市町村の状況を県が中心となって把握する必要があると思いますが、知事のご見解を伺います。

 

黒岩知事:次に介護従事者の実態把握についてですが、既に様々な調査が行われています。公益財団法人介護労働安定センターの介護労働実態調査では、毎年介護事業所で働く従事者の労働条件や雇用管理の状況などを調査して公表しています。また厚生労働省の賃金構造基本統計調査では主要産業の労働者の賃金実態等を調査して勤続年数や平均賃金など公表しており、他の産業の労働者との比較も可能となっています。県では今後もこうした調査資料を活用して介護従事者の実態把握に努めてまいりますので、独自に調査を行うことは考えておりません。

 

木佐木議員:次に介護人材の確保についてです。

今、介護業界の先行き不安から、介護福祉士を目指す方が減少しているなど、介護人材の確保は今後の大きな課題となります。

今年の介護福祉士の養成施設の入学者は全国で8884人となっており、ピーク時の半分以下とのこと。さらに介護福祉士の養成施設は2008年の434施設がピークで、2015年度には379施設と55施設も減少しています。

神奈川県の介護福祉士の養成施設は現在12施設で昨年から変化はないとのことですが、今後の推移が気になるところです。

公益財団法人日本介護福祉士養成施設協会会長の小林氏は、昨年の国の社会保障審議会福祉部会の専門委員会で介護福祉士の養成の直面する課題について報告しています。

その中で、小林氏は、養成施設での定員割れが続いていることを指摘しながら、働く人に魅力ある介護業界を作ることが大切と述べています。そして、そのためには、介護福祉士の質を高めること、処遇改善を行い、経済的条件を他の産業と同じレベルに持っていく必要があると述べています。

8月に県が策定した「医療介護総合確保促進法に基づく神奈川県計画」では、2025年までに県内で2万5000人の介護従事者の増が必要とされています。この計画の中で、本年度の介護人材の確保策として2億975万円が計上されておりますが、更なる充実が必要と思います。

そこで介護人材を確保するための対策として、今後どのように対策を拡充するおつもりなのでしょうか。特に介護従事者の労働環境や処遇改善について保健福祉局長にご見解を伺います。

 

中村保健福祉局長:保健福祉局関係のご質問にお答えをいたします。介護人材の確保についてお尋ねがありました。本県では今年度から地域医療介護総合確保基金を活用して、多様な人材の確保、資質の向上及び労働環境の改善の3つを大きな柱として介護従事者の確保について大幅に取り組みを拡充しております。具体的には神奈川福祉人材センターが実施する就職フェアや施設見学会などの実施回数を前年度の17回から今年度は39回に倍増しております。また、介護サービス事業者が従業員にホームヘルパー研修を受講させる場合の費用に対し、8月から助成を開始しました。更に10月からは経営者向けにマネージメントセミナーを8回実施し、職員がやり甲斐と誇りを持って働き働き続けられるよりよい職場環境づくりを支援しています。県としては、今後とも基金の財源を有効に活用し、関係団体と連携しながら介護人材の確保対策にしっかりと取り組んでまいります。私からの答弁は以上です。

 

木佐木議員:次に、介護保険制度の抜本的な見直しについて伺います。

今回の質問では、介護事業者と介護従事者という観点に絞って介護保険制度の問題を見てきましたが、利用者や家族の支援など、取り組むべき課題がたくさんあります。

現在の介護保険制度であれば、介護事業者や介護従事者のために介護報酬を引き上げることは、介護保険料の引き上げに直結します。そして、サービス提供体制をしっかりと整備しなければ、介護保険制度そのものも成り立ちません。

介護は今後の日本社会における大きな課題であることは間違いありません。

そこで、神奈川県の介護現場の実態をしっかりと調査し、国に対しこの状況を伝え、介護保険制度の抜本的な見直しを図るよう求める必要があると思いますが、どのようにお考えか、知事の見解をお聞かせください。

 

黒岩知事:次に介護保険制度の抜本的な見直しについてです。平成12年4月に創設された介護保険制度は、社会全体で高齢者介護を支える仕組みとして、なくてはならないものとして定着してきました。この間3年毎の介護報酬改定にあわせて制度の見直しが行われてきたところです。また今年度は将来に渡って安定した介護保険制度を確立するため、所得や資産のある方の利用者負担を引き上げる一方、低所得者の保険料軽減を拡大し、費用負担の公平化を図る改正が行われました。このような定期的な制度の見直しに際して、国は介護現場の実態を調査しており、現場の実態に応じて必要な措置がなされてきていると、認識していますので、抜本的な見直しは必要ないと考えております。

 

木佐木議員:質問の第3は原子力艦の防災対策についてです。

 まず、原子力艦の災害対策マニュアルの見直しについて伺います。

 この問題は、第2回定例会の我が会派の代表質問でも取り上げましたが、その後、内閣府を中心に「原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会」いわゆる作業委員会が11月6日に開催され、11月20日には中央防災会議主事会議も開かれましたので、その内容も含めて、知事の見解を伺います。

東日本大震災の福島第1原発事故を受け、国内の原子力発電所の災害対策については、不十分ながらも厳しくしていますが、横須賀に配備されている原子力艦に対する原子力災害対策については、11年前に作られた原子力艦の原子力災害対策マニュアルのままと言うことで、同じ原子力災害でありながら、災害時の対応に大きな開きがありました。

私たち日本共産党としてもこの問題について、国会などでも取り上げ、最低でも国内の原子力発電所と同程度の対策を求めてきました。

横須賀市長も原子力艦の災害対策マニュアルと原子力災害対策指針、そして米軍が示したファクトシートとの違いを解消するよう求めていましたし、県知事も横須賀市と一緒にその矛盾の解消を求めていました。

10月22日の神奈川新聞に掲載された河野防災担当大臣のインタビュー記事は、これまで対策を後回しにしてきた国の対応とは違う内容でした。事実、河野大臣は11月6日の作業委員会の冒頭のあいさつで、「もともと、事業用の原子炉のいろいろなルールを基に、原子力艦が入ってきたときにどうするかという基準値その他を決めたわけだが、福島の事故の後、原子炉の方は大分基準を見直した。ところが、原子力艦の方は見直しが行われないままだった」と述べながら、「結果として、緊急事態の判断基準に20倍の開きがあることは、どう論理的に考えてもおかしなことなので、5μ㏜に下げさせていただきたいと思っている。」と発言されています。

これらの発言を受け、11月6日に開催された第1回の作業委員会では、原子力艦の災害対策マニュアルも原子力発電所の災害対策指針に合わせる方向で一致し、11月20日に開催された中央防災会議で基準の変更が決定しました。

横須賀市長は、この動きに対して「国が考え方を整理することを歓迎したい」と述べております。私たちも第1段階は進んだと感じております。しかし、米軍が示したファクトシートでは、原子力艦で万が一事故が起き、艦船から放射能が放出されても、影響はあくまで局地的であり、屋内退避等の防護措置は在日米海軍基地内に十分とどまるとしています。これは、現在の原子力艦の災害対策マニュアルと大きな違いがあり、事故発生時の米軍の対応についてもまだまだ不明確な点が多いのが現状です。

そこで、知事に伺います。原子力艦の災害対策マニュアルの基準を原子力災害対策指針に合わせる、国のこのような動きに対してどのように感じておられるのか、お聞かせください。

 

黒岩知事:次に原子力艦の防災対策について何点かお尋ねがありました。まず、原子力艦災害対策マニュアルの見直しについてです。福島原子力発電所の事故を受け、国は原子力発電所の災害対策については見直しを行いましたが、原子力艦の災害対策については先送りされました。このため原子力発電所と原子力艦との間で避難基準等に大きな差が生じていました。そこで県は横須賀市などとも連携し、適切な応急対応範囲の設定などについて国に要請してきたところです。今回、国が作業委員会を設置し、原子力艦の災害対策の見直しに着手したことは、長年にわたる要請にこたえるものとして、大きな前進と受け止めています。

 

木佐木議員:次に基準見直しに伴う県の役割について伺います。

この作業委員会で、今後は、この判断基準に基づいて避難の範囲等をどうするかが議論になると思いますが、私は、当然、原子力発電所と同程度の対応が決定されると思っています。

そこで、今後避難の範囲などが改正されれば、神奈川県をはじめ県内の各市町では、地域防災計画に新たに原子力災害編を策定することが大きな課題となります。

現在の原子力艦に関する地域防災計画については、県内では横須賀市、三浦市が策定をしております。しかし、原子力発電所と同程度の対応をとるとなると30km圏内、隣の横浜市をはじめ、川崎市、藤沢市などの人口の多い自治体でも放射能のモニタリング体制の整備やヨウ素剤の配布、事前の防災訓練、避難計画などについて地域防災計画を策定することになります。また、原子力発電所の立地自治体では、避難の方法や手段、避難先などとの連携を図るなど、広域的な連携がとても重要になりますので、原子力災害対策については、県が主体的にそして、中心となって取り組んでいる状況です。

そこで、今後、避難計画の策定については、神奈川県の役割が大きくなると思いますが、知事はどう認識しておられるのでしょうか、見解を伺います。

合わせて、県として早急に検討を開始する必要がありますので、現在の検討状況とその体制についてどのようにお考えか、ご見解を伺います。

 

黒岩知事:次に基準見直しに伴う県の役割についてです。原子力艦は原子力発電所と違って、移動するなどの特性があります。国の作業委員会では原子力艦に関する避難の範囲などについて今後検討していくこととしています。従って避難の範囲が拡大するのかどうかや県の役割の増減については国の作業委員会の中で、今後検討されることになります。県としては今後の国の検討状況に応じて横須賀市とも連携して、必要な対応を進めてまいります。

 

木佐木議員:次に、原子力艦の配備撤回について伺います。

原子力艦の原子力災害対策は、横須賀だけの問題ではなく、神奈川県を含めた首都圏3000万人以上にかかわる大きな問題です。万が一、事故があった場合にどのような対応がとれるのか想像がつきませんが、これほどの人口密集地に原子炉があるというのは、日本全国を見ても、また、世界を見ても例がありません。

例えば、原子力空母が停泊する米海軍横須賀基地の12号バースから半径5kmには、20万人以上の方が居住しており、この人数は、日本全国にある原子力発電所の半径5㎞圏内の人口をすべて合わせた人数よりも多いという状況です。

東海第2原発がある茨城県では、2013年の夏、5km圏内の約8万人の住民の内9割の住民が5km圏外に出るだけで15時間かかるとの試算を発表しました。また、現在の茨城県の地域防災計画では、30km圏内には14市町村あり、96万人が対象となりますが、県外の具体的な避難先についてはいまだに決められない状況です。これは避難する人口が多く、受け入れ先を決めることができないためといわれています。

このような状況からみても、人口密集地で防災計画を策定することは、困難を極めるのではないかと思います。

わが会派としては、そもそも原子力艦の配備に反対しておりますが、原子力艦の配備を容認している知事であっても、万が一の事故に対する避難計画などが策定できないようであれば、原子力艦の配備を撤回するよう求める必要があると思いますが、知事の見解をお聞かせください。

以上で私の一回目の質問を終わります。

 

黒岩知事:最後に原子力艦の配備撤回についてです。米軍の艦船の配備は日米安全保障条約に基づくものであります。基準見直しに伴う県の役割については、今後の国の検討状況に応じて、横須賀市とも連携して必要な対応を進めていくとお答えしたところでありますので、避難計画が策定できないようであればという仮定の質問にはお答えできません。私からの答弁は以上です。

 

 

[再質問]

木佐木議員:知事、保健福祉局長、教育長、答弁ありがとうございました。それでは1点再質問をさせていただきます。教育の機会の確保について再質問をさせていただきます。先ほど1回目の質問でも紹介したように、自治体の中では大学生向けの奨学金事業を行っているところが決して少なくありません。県内でも川崎市などいくつかの市町村で行われています。県教育委員会として他の自治体の先進的なとりくみ、これらを調査・研究し、県の今後の奨学金事業へいかしていく必要があると考えますが、教育長の見解をうかがいます。

 

桐谷教育長:再質問にお答えします。他自治体の調査研究ということですけれど、私ども県教育委員会といたしましては、他の自治体の施策について日常的な業務の中で把握し、調査もし、検討もしております。そうした観点からは引き続きということでございます。

 

木佐木議員:それでは要望にさせていただきたいと思います。教育を受ける機会の確保について要望をさせていただきます。昨日付けの神奈川新聞で神奈川県高等学校教職員組合の奨学金問題プロジェクトの記事が掲載されておりました。これには奨学金という名の借金であり、未成年が数百万円にのぼる借金を申請すること自体が異常なことではないかと指摘がされております。豊かな学びの対価を受益者負担とすることは、国際人権A規約にも反します。今後県として全ての人に豊かな学びの機会が確保されるよう、高校等の給付制奨学金の拡充と大学生向けの奨学金制度を創設する、そうしたことで支援をしていくことに、あらゆる検討と努力をすることを要望いたします。

 次に介護保険制度について要望いたします。高齢化社会へと向かい、介護サービスの需要がますます高まる一方で、労働条件や制度設計により介護事業者による介護従事者の確保が困難になっていることは、質問でも指摘をさせていただきました。介護人材を確保するためには、しっかりと労働条件を改善し、その負担を利用者や介護事業所に回すことはあってはなりません。県として持続可能な制度設計を国に対し、求めるとともに介護人材の確保計画をしっかりとたてて、それを実行することで介護を必要とする人が安心してサービスを受けられるよう、より一層努力していただくことを要望いたします。

最後に原子力艦の防災対策について要望いたします。11月19日わが会派として高知県へ視察に行ってまいりました。高知県は、国の基準でも該当しない伊方原発から半径50キロに、わずかな県土がかかるということから、それでも県民への影響を考え原子力災害対策行動計画を策定したとのことでした。この計画の目的には、事前対策、応急対策、復旧対策を確実に実行するため、県や関係機関が実施すべき具体的な行動を定め、県民の生命、身体、財産を守る。と掲げられています。また、隣県から避難者の受け入れなども必要となることから、県としての役割は非常に大きくなるとのことでした。原発がない地域でも、計画を策定いるのは知事の姿勢が大切とのことでした。神奈川県としてもこのような姿勢で、すでに計画を策定した自治体の取り組みを参考にして、イニシアチブを発揮してもらいたいと思います。そして、本来は神奈川900万県民、そして首都圏3000万人に影響を与える原子力艦船の母港撤回を求め、危険の根っこをしっかりと取り除くことが必要だと強く要望して私の質問を終わります。